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サッカー観戦のもう一つの醍醐味

 

ワールドカップドイツ大会が、フランスのジダンの頭突きとイタリアの優勝で幕を閉じてから3カ月が経った。このサッカーというスポーツを楽しむときに、必ず取り沙汰されるのが代表監督という立場の人である。世界的な常識では、この代表監督は国内の優秀な選手を選択し、代表チームを常に勝利に導くための戦略や、戦術を駆使することに質を求められる人たちである。

さて、ワールドカップ後、今後4年間を託された日本代表監督は、旧ユーゴスラビア代表を90年のワールドカップイタリア大会でベスト8に導いたイビチャ・オシムである。この監督の手腕は、昨季まで千葉ジェフ・ユナイテッドを常にJリーグの上位で戦えるまでのチームに育て上げた実績も含め、高く評価されている。

これら代表監督の手腕を試合を通して楽しむのは、勝敗を越えて、また一つの醍醐味でもある。なぜならば、代表監督は、現有メンバー(戦力)の中でベストな戦略、戦術を考え、実際に取り組ませる人であり、育成という時間的な余裕の無い中でも選手個々の能力を見抜き、自分の持てる最大限のスキル、また魅力的なパーソナリティをもとに、選手たちから勝利に向けて努力、挑戦するという高いモチベーションを引き出すことに全精力を注ぐ人たちであるからだ。本当に実力のある監督は、人間の本質を知り抜き、明確な目的意識を選手に持たせ、さまざまな局面で挑戦し、戦う精神を失わせない指導力を有する。このような人たちが、前後半90分間の中で選手たちを通して表現する最高のパフォーマンスを楽しめることも、サッカーが世界スポーツとして人々を熱狂させる大きな要因でもあると言える。

一見、遠い話のように思われるかもしれないが、代表監督のこのリーダーシップは、本会のリーダーの役割にも重なるところが多い。

仏教では、人間の本質である仏性を開顕し、仏性にもとづいて少しでも人さまのお役に立てる人間に生まれ変わることを目指している。しかも、仏性とは、人間が独力で覚り、自分の力のみで開発することは難しく、人の縁というものを通して磨かれていく性質を持つ。この人間の本質の仏性を見通し、常に一人ひとりの持ち味を活かしながら、人生という大きなピッチ(試合場)の上で、縁あるすべての人々に生きることの楽しみや喜びを与えられる人間になることを支援し、導いていく人こそ本会のリーダーである。その点では、サッカー監督も、信仰心を育てるリーダーも、人間というものに真剣に向き合う以上、根底では相通ずるものがある。

ワールドカップドイツ大会後、世界各国の代表監督が次の2010年に向けて動き始めている。これからの4年間、サッカーというスポーツを通して、人間の持つ素晴らしさや可能性が、代表監督の手腕を通して、世界各地で表現されていく。試合の結果もさることながら、人間本来の力を発揮させることに飽くなき情熱をもって全力を注ぐ人たち(監督)の生き様を見ることもまた、楽しみである。

 

在津賀通(青年本部)
2006.09.19 update

 


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