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「開祖生誕100年」で記念出版された『私の中の開祖さま』を拝読させていただきました。「一期一会」のお心で、すべての人との出会いを大事にされた開祖さまと会員さんのエピソードを感動の涙で読ませていただき、開祖さまを一層身近に感じさせていただくことができました。
その中に穂高でのエピソードがありました。穂高でご静養中だった開祖さまがお散歩をされていたところ、偶然、信者さんに出会われたそうです。開祖さまは、一度は通り過ぎられたものの、ご自身のお体のことより信者さんに心を配られ、引き返し、お言葉をかけ、またその信者さんたちを拝まれたそうです。信者さんは「感謝してもしきれない思いでいっぱいです」と語られていました。甲信教区でお役をいただいているので、穂高を身近に感じていたこともあり、とてもそのお話が心に残りました。
その数日後、長野駅を経由して出張に出かけるときのことです。乗り換えのために電車を降りた瞬間、隣の発車待ちの電車に教会の信者さんが乗っているのが見えました。少し離れていたし、信者さんも席に座っていたので、そのまま長野駅に向かってもなんの問題もないと思われる、一瞬の出会いでした。
そのとき、穂高での開祖さまのエピソードが頭に浮かび、考えるより先に足が信者さんの方へ向かっていました。窓越しにコンコンとノックして「こんにちは」と挨拶をさせていただきました。すると、信者さんは驚いたようでしたが、すぐに反対側の出口から電車を降りてきてくださり、「こんなところで声をかけてくれて」と喜んでくださいました。
信者さんは別れ際に、「これでも食べながら、気をつけて出張にいってきてね」とガムをくださいました。新幹線の中でそのガムをいただくと、いつも買っているガムとは一味ちがった特別な味でした。その信者さんは今でも、教会で私に出会うたびに、そのときのことを笑顔で話してくださいます。まるで、開祖さまが「そのときのガムの味を忘れないようにね」とおっしゃってくださっているように……
辻谷修一(甲信教区)
2006.07.26 update
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