バブル全盛期。大学を卒業し、大阪の貿易会社に就職した。
しかし、会社はバブル崩壊と同時に迷走し始めた。それに耐えきれず、逃げるようにして転職した。同業種への再就職を望んだものの、結局はいわゆる3K(汚い、きつい、給料安い)といわれる職に就いた。バブル期に海外を飛び回り商談していた自分が、新しい職場で年下の先輩たちに仕事を教わる。仕事に気持ちも入らず、仲間にも馴染めなかった。家族に愚痴を漏らし、悪態をつく毎日だった。
「俺の人生こんなもんだ」と自暴自棄になっていた時、教会の研修会に誘われた。気ものらないまま出かけてみた。テーマは『法華経の新しい解釈〜信解品第四〜高い姿勢、低い姿勢』。研修の中で、卑屈根性の自分の心を見透かしたようなある一言に出合った。まるで雷に打たれたようなショックだった。
『“自分などとてもだめだ”と考えることは、自分の仏性を否定することです。したがって、仏を否定することです。仏に対する侮辱です』
「なんて愚かな自分だったのだろう」と、自分自身を恥ずかしく思った。
それからというもの、仕事に対する私の姿勢は180度変わったと思う。自ら仕事に向かうことにおもしろさを見出し、「これから、心を入れ替えてがんばろう」と決意した。
奉職のお手配を頂いたのは、ちょうどそんな時だった。
今振り返れば、私の人生の中で、あの自暴自棄に落ち込んでいたことも必要であったと思う。しかし、それ以上に、あの時、開祖さまのお言葉に出会えたこと、私の心に説法頂けたことに今も大きな喜びを感じている。
鈴木啓修(東北教区)
2006.04.28 update |