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家族の思いやり

大学生になったとき、大阪から上京して一人暮らしを始めた。家族と離れて、もう7年が経つ。一人暮らしを始めた当時は、寂しさから度々、実家に電話をかけていた。しかし、生活に慣れるにつれ、徐々に電話をする機会も減った。あまりに連絡をしないので、父が心配して電話をくれるようになったほどだ。最近までもそのような状態がずっと続いていた。

私には6歳年下の弟がいる。現在大学4年生で、就職活動の真最中である。気にはなっていたのだが、忙しさにかまけて連絡をしないままだった。先日、東京で面接があるというので、少しでも会って話をしようと思ったのだが、仕事の都合で2、3分ほど顔を会わせることしかできなかった。しかも、30分以上待たせてしまったのに、だ。

そんなこともあって、先日、母に電話をした。「あんた、弟が人生を決める大事なときやのに、少しは弟の話を聞いたってや。前から思ってたけど、そういうところが冷たいなあ、あんたは」と言われてしまった。弟とは長く離れて暮らしているので、正直なところ、兄貴らしいことは何もできていない。母からの一言で、あらためてその現実を突きつけられた気がした。自分に対する情けなさと、弟に対する申し訳なさで心がいっぱいになった。

すぐに弟に電話した。「お前、一生懸命がんばってるのに相談に乗ったり、声かけたり、何もできんでほんまに悪かった」と謝った。すると弟は、「そんな謝らんでええで。就職は自分でするもんやし。うまくいかんところもあるけど、それは自分の考えが甘かったんやなあと思うし。自分が努力していくしかないやろ。俺もがんばるから、お兄ちゃんもいろいろあるやろうけどがんばってな」と言ってくれた。弟は自分自身を内省し、私を責めるどころか励ましてくれたのだ。

両親や兄弟、身近な家族の思いに気づいていなかったことを、私は反省した。また、そこまで思ってくれていることが本当にうれしかった。そういえば、母も電話の最後には必ず、「あんたも体に気をつけてがんばりや」と励ましてくれる。自分はこんなにも家族の思いやりに支えられ、生かされていた――そのことに気づけた出来事だった。

「これからは両親や兄弟のように、家族や他の人に思いやりをかけられる自分になれるよう、がんばっていこう!」と決意した。家族に感謝をし、時間があるときにはもっと電話やメールで近況を報告しよう。それが親孝行、家族孝行になると思うから。

橋本貴史(青年本部)
2005.09.29 update



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