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花粉症

私の今の一番の悩み、それは花粉症である。
飛散する花粉の量は例年の30倍――早くて、多くて、長い。なんなんだこのフレーズ!と、怒りと失望を感じた日本国民も多かったのではないだろうか、沖縄と北海道を除いて。もちろん天気予報を毎日チェックし、洗濯物は外には干さない。花粉グッズも欠かすことはない。あるとき、飛散する花粉に耐え切れず、マスクと花粉めがねを装着して青年本部に出て行くと、T教務員に「宇宙にでも行くのか」と励まされた(!?)。

“宇宙グッズ”を装着し、帽子を深々と被ったまったくもって怪しい私の隣で、春の風を思いっきり吸い込みながら「気合がたりない。花粉症なんか気合で治せ!」と新潟在住の主人が叱咤激励する。つい腹が立って、「気合なんかで治るわけないでしょ。都会は花粉がひどいんだから」と言い返すと、「新潟にだって花粉症になる人はいる。そうやって田舎をばかにして」「そんなこと言ってないでしょ!」……ああ、夫婦喧嘩の原因が花粉なんて。

毎年毎年この時期を、薬を飲みながらなんとか乗り切ってきた。しかし今年は薬が飲めない。そう、仏さまから授けてもらった3番目の赤ちゃんがお腹にいるからだ。私たちのような足りない夫婦を選んできてくれる大切な赤ちゃん。お兄ちゃんたちに足で蹴られ、乗っかられながらも、健気にお腹でがんばる可愛い赤ちゃん。赤ちゃんはうれしい。だけど花粉症がひどい。なんとも言えない葛藤の中で生きているのだ。

「あと1カ月、あと1カ月」とお題目と同じように毎日毎日唱えながら、ふと考えた。〈何か、この状況の中から悟ることがあるんじゃないか? つらいつらい、嫌だ嫌だと逃げてばかりいては、せっかくご法の縁を頂いているのに、仏さまの教えを全然生かしていないじゃないか。そうだ。まずこの状況を受け入れてみよう。そこから悟ることがあるはずだ〉。

そう考えた私は、さっそく花粉を受け入れるべく“宇宙グッズ”を手放した。すると、春の風は心地よく、すがすがしい気持ちがよみがえってきた。一つの苦に執着していた心が解き放たれるのを感じた。いのちがあるからつらいこともあるんだ。いのちがあるってありがたい。ああ、生きてるっていいなあ。

しかし、人間そうそう変わるものではない。もちろんその夜の状況はひどいものだった。やっぱり今も「あと1カ月……」と唱えながら、“宇宙グッズ”を身に着けている私である。

水藻(青年本部)
2005.05.06 update



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