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喜びの奉仕は自分の限界を超える

2004年12月26日。自然の恵み豊かなアジア地域を、大きな災害が襲った。スマトラ沖大地震及びインド洋大津波である。報道によれば、今年1月末の時点で死者・行方不明者は30万人近くに達しているという。そのうち、インドネシアやスリランカでの犠牲者があわせて27万人と全体の9割を占めている。私の家内の故郷であるタイも、死者・行方不明者数が8000人を超えている。

今年2月2日、私はタイの被災地を訪れる機会を得た。テレビ報道で何度も目にしてはいたものの、現地の被害状況は1カ月以上経った時点でも凄惨を極めていた。被災地を巡ること約4時間。海岸線から数キロの範囲は、津波で流された家屋が軍のブルドーザーで撤去され、木の一本も立っていない平地が広がっている。一方で、大型重機を用いても撤去できない鉄筋コンクリートの残骸が、そのまま放置されていた。

被災地の広大さと甚大な被害に圧倒された私は、どのような支援が有効なのか、考えがまったく浮かばなかった。「ここまで被害が深刻であれば、NGOが焼け石に水のような部分的支援活動をするよりも、国連や政府レベルの大規模支援活動でないと被災者が救われないのではないか」。これが私の結論であった。

そうした中、現地で救援活動を行っているタイの現地NGOスタッフと出会った。彼らは仮設住宅をこまめに回り、被災家族が必要としている生活物資を調査し、調達しているという。素晴らしい活動であるが、それも言語や価値観を共有するタイの現地NGOだからこそできることで、私のような外国人が入り込む余地はない。「何かお手伝いをさせて頂きたい」という気持ちと、「これだけの被害を前に、いったい自分に何ができるのか」という迷いの狭間にいる私は、その心情をスタッフに話した。

彼は言った。「何をしていいかわからない、という被災地の状態は、逆に言えば、何をしても喜ばれるという状態でもあるわけです」と。その言葉に、私は衝撃を受けた。彼の発言が示唆するのは、「自分の力」に視点を置くか、「相手の喜び」に視点を置くか、ということと感じられたのである。

自分の力量にばかり目を向けていると、私たちは自分のあまりの非力さに愕然とし、萎縮して何もできなくなってしまう。しかし、「少しでも困っている人のお役に立ちたい」と心から願うとき、私たちは自分にできることの大小に対するとらわれから離れ、喜びと自信をもってボランティア活動に取り組めるのではないだろうか。

島村(千葉教区)
2005.03.10 update



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