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開祖さまのご法話を拝読させて頂くと、「感応」ということばを目にする。私はこの「感応」ということばが好きだ。

――「こちらが仏性を開顕すれば、それが回りの人々の仏性とも感応せずにおかないんです」(『躍進』1991年6月号)

昨年の11月下旬、現地担当教務員の辞令を頂いた。住んでいたアパートの契約を更新して、すぐの出来事だった。とにかく、引継ぎをして、引越しをしてと、気持ちを整理する暇もなかった。
2週間後、新しい生活がスタートした。〈考えるより目の前にあることをやらなければ、とにかく……〉。いつしか、「とにかく」という言葉が口癖になっていた。

「教務員さん!」と呼ばれるたび、〈早く教務員にならなければ〉と気持ちだけが焦る。そして、「教務員はこうあるべきなのに」と自分を追い詰めていた。とにかく、やらなければ、と。

しかし、そんなに簡単に一人前の教務員になれるものではない。
ある日、私は張り詰めていた思いを妻に吐露した。「俺はそんな立派な人間じゃない」。
妻は私の言葉を聞いて、「それでいいよ」と言った。
私は、すべてを受けとめてもらった気がした。涙とともに、今までたまっていたものが流れ出た気がした。
ふと見ると、妻の目からも涙があふれていた。
「これからもよろしく」と妻の手を握った。

すると、もう1つの小さな手が、2つの手の上に重なった。妻が抱きかかえていた、まだ幼い息子の手だった。そして、息子の目からも涙がこぼれていた。
まだ1歳にならない息子には、いま目の前で何が起こっているのかさえ分からないだろう。
しかし、しっかりと感じていたのだ。

うまくやろうと考えていた自分。うまくやれないことを認めたくなかった自分。
3つの手が合わさって生まれた温もりによって、私はそんな小さな自分を受け入れることができた。

(K.M)


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