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今年の初め、不妊治療に通っている病院から戻り、「今回もダメだって」と肩を落とす妻と、教区長さんにご指導を頂きに行きました。「ご指導を頂こう、心構えを頂こう、と思える心に育てて頂いたご両親に感謝ですね。病院はそのまま通っていいですよ。時が来たら、子どもを授からせて頂けます。それまで徳積みをさせて頂きましょう」。ありがたいお言葉を頂いたあと、妻の顔は輝いていました。

子どもを授からない私たち夫婦には、いろんなことがありました。青年部員さんから「教務員さん、子どもが生まれました」と報告を受け、「よかったねぇ」と喜びの言葉を口にするものの、言い表せないくらい落ち込んでしまう。「とらわれないようにしよう」と思えば思うほどとらわれていた私でした。また、一泊二日の青梅練成に出かけようとしたとき、見送りに出てきた妻が急に泣き出し「行かないで」と言ったり、人工授精をするかどうか治療方法を話し合っているうちに大喧嘩になったり……。それが、教区長さんにご指導を頂いたことによって、「お任せしよう!」という気持ちが胸一杯に広がりました。

それから5カ月が経ったある日、「今回もダメだって言われたけど、できたって」と妻が言いました。「何が?」と私が訊ねると、「仏さまの子」と――。結婚5年目、不妊治療に通って3年、初めて妻のお腹の中に『仏さまの子』を授かりました。

私自身を振り返ると、今では想像もできないような親不孝をしてきました。小学校3年生の時に父が他界。その寂しさから、「俺の気持ちなんか分かるか!」といきがり、家族とはけんかばかりしていました。中学時代には、毎日のように母と妹に暴力を振るっていました。ある時などは、母が私の手に包丁を握らせ、「殺せ!殺せ!」と泣き叫んだこともありました。母は3年前に亡くなりました。母の死という現実を前にして、私は初めて「縁」というものの不思議さを感じたように思います。『今まで出会った人も、仏さまからの贈りもの』『今まで起きたことも、仏さまからの贈りもの』『これから出会う人も、仏さまからの贈りもの』『これから起きることも、仏さまからの贈りもの』――と。

このような気持ちにならせて頂けたのも、仏さまのみ教えを開祖さま、会長先生がお伝えくださり、多くの方々を経て、私たちの親が受け継いでくださったおかげさまです。こんな私にも、母が諦めずにご法を伝え続けてくださったおかげさまです。そして今、私たち夫婦にも、この尊いみ教えを伝えられるいのちを授かりました。妻のお腹の中にいる『仏さまの子』は現在3カ月、5.5センチほどになりました。むちゃくちゃ小さいのに、その小さな手で顔を触っている様子がエコーを通して映し出されます。新しいいのちがめばえ、順調に成長している。まるで夢の中にいるようです。

母が一生をかけて伝えてくださったこのみ教えを、まず自分自身がしっかりと身につけられるようになりたいと思います。そのために、開祖さまが仏さまに向き合われるお姿を手本として、『鞠窮合掌』(鞠のように、それ以上体を縮めることが出来ないくらい体を縮めて、ひたすらに合掌し、お願いする)の心を日々の精進の中でつくらせて頂きたい。そしていつかは、仏さまの願いを自分の願いに出来るようになりたい……そう願っています。

(N.I)


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