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仏教どすこい

多くの人々を導きつつ自己の練成に努め
1、多くの人とかかわりを持つ中で、努力できること
2、自分自身を高めるためには

 

1、

多くの人とかかわりを持つ中で、努力できること

皆さんはどんな人間関係をつくりながら、人生を歩んでいますか。
人はいろいろな価値観や人生観を持って生きていますから、自分と同じような考え方の人ばかりとは限りません。人との出会いに何を意識して、努力していけばいいのでしょうか?
「人」は、人はお互いに持ちつ持たれつの関係で生きています。

身近な食事を例に考えてみても、それは明らかです。日本の主要な穀物自給率は二七%(平成十一年)。食卓に上るほとんどの食物は世界各地から輸入していることになります。コンビニのおにぎり一つとってみても、自分の口に入るまでに世界各地の多くの方々の支えがあるわけです。まして、それを調理する人、運送する人、実際に販売する人……と視点を広げると、実際は計り知れないほどの支えがあることになります。このほかにも、目に見えないところでお世話になって生きていることはたくさんあります。

その事実を受けとめたとき、私たちは受け身ばかりの人生でいいのか考えさせられます。一般の世間的感覚では、与えるよりも、もらうほうが幸せだと思いがちです。ですから、多くの人は物や金銭をできるだけ多く自分のものにしようとします。しかし、常に自分の利益だけをまっ先に考えるだけでは、他の動物と変らないのではないでしょうか。

昭和五十四年四月、開祖さまは、長年にわたる宗教協力の功績から宗教界のノーベル賞≠ニいわれるテンプルトン賞を受賞されました。その受賞記念講演の中で、開祖さまは次のように述べられました。

「私が宗教の世界に目を向けるきっかけになったのは、小さいときに祖父に聞かされた『どんなに小さな虫でさえも自分で食べるくらいのことはしているではないか。まして人間として生まれたからには、世のため、人のために役立つ人間にならなければいけない』という言葉だったのでした……」
(『躍進』79・6)

開祖さまが幼少の時に学ばれた「世のため人のために役立つ」生き方こそ、仏教の柱となるメッセージなのです。つまり「与える」生き方です。 
こうした人生を送っている人は周囲の人にも影響を及ぼします。

看護師のA子さんはこれまで、末期がんの患者さんと多くかかわってきた。その中の一人、Tさんは盲目だった。根っから明るい人で、冗談を言っては人を笑わせた。看護師の足音を聞き分け、自分から「○○さん、おはよう」と声をかけてくれた。大部屋には、老人性痴ほう症のおじいちゃんがいた。おじいちゃんは、時々大声で歌を歌った。患者さんたちは苦い顔をした。そんな時、Tさんはおじいちゃんの歌に合いの手を入れ、自分も歌った。病室の雰囲気がなごむ。他の患者さんたちもあきらめの笑顔になった。
Tさんの病状は次第に悪化した。高熱が続き、人工呼吸器をつけなければならなくなった。大事なコミュニケーションの手段である言葉も取り上げられた。それでもTさんは受け身にならなかった。A子さんの手のひらに指で語りかけてきた。顔の表情で「おはよう」を言った。そうして最期を迎えるまで、Tさんは笑顔を絶やさなかった。
人は人生の最後の最後まで、他の人を喜ばせることができる。そんなすごい力を具えていることを、A子さんは学んだという。持てる力をどれだけ生かせるか。それはどれだけ人に喜んでもらえるかにかかっているのかもしれない。Tさんの生き方に少しでも近づきたいと思った。

(『佼成新聞』続・法華経のこころ)

我々もたくさんの縁にお世話になりながら生きているという事実を受けとめ、少しでもまわりの人に尽くす、またはお役に立てるように努めていきたいものです。そして厳しい環境や条件に置かれていてもコツコツと努力を積み重ねる。
相手の利益を先にして、地道に相手の喜ぶことを積み重ねていくところに、生き生きした人生を歩むことができるのです。

 


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