ここで、青梅練成会での、ある女子部員さんと教務員の会話を紹介したいと思います。
「教務員さん、私、就職に悩んでいます。どこに就職したらいいでしょうか?」
「そうだね〜。ところで君は、どういう人になりたいの?」
するとその女子部員さんは、ニコニコしながらこう答えました。
「私、ローソクみたいな人になりたいんです」
「どうしてローソクがいいの?」
「だってローソクは、明るいじゃないですか」
(教務員の心の声◆明るいだけなら太陽のほうが明るいのに、不思議だな……)
「なるほどね……。他にも理由があるの?」
「ローソクは、温かいから」
(教務員の心の声◆彼女は何を私に伝えたいのだろう……)
「そうだね。他にも理由はあるの?」
「ローソクは、自分の身を削りながら、周りを明るく温かくしているでしょ!」
素晴らしい答えに感動した教務員は、最後にこう言いました。
「その願いを生かせると思えるところなら、どこを受けても君は就職できるよ」
その後、彼女はめでたく結婚式場に就職をし、素晴らしい彼と巡り合い、二人の子どもに恵まれ、幸せに暮しているそうです。
彼女がめざしたローソクのような生き方に象徴される精神は何でしょうか。
伝教大師最澄は次の言葉を残しています。
『径寸十枚是れ国宝に非ず。
一隅を照らす、此れ則ち国宝なり』
……直径一寸もある宝珠十個が国の宝なのではなく、本当の宝とは、「喜びを人さまに、苦しみは自分が引き受ける」という菩薩の心を起こした人、その場になくてはならない人であり、それが国の宝だというのです。
(『開祖随感 7』)
ローソクのように、自分の身を削って周囲を輝かせる”一隅を照らす生き方“。それが、私たち佼成会の青年部のめざす生き方ではないでしょうか。なぜかというと、それは佼成会の姿勢そのものだからです。
二〇〇一年九月に起こった「米国同時多発テロ」。誰もが目を覆いたくなるような悲惨な事件でした。佼成会ではいち早く全国の少年部・学生部の皆さんから、アメリカの子どもたちに対する「励ましの手紙」が五〇〇〇通以上寄せられました。その後、佼成会の名前は出さないで「日本の子どもたちから」という名目でアメリカの子どもたちに手紙が渡されたのでした。
現地の方は涙を流して喜ばれたそうです。さらには「私たちがアフガニスタンの子どもたちに励ましの手紙を出したい」との声も上がったそうです。
佼成会の名前を大々的に出して社会から評価をされるほうが、世間では一般的なのかもしれません。しかし、佼成会が創立以来歩んでいるのは、こうした無名有力な”一隅を照らす生き方“
なのです。 |