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閉会式は調和と平和を願ってつくられた「オリーブの塔」の前で行われた。対立する者同士が出会い、率直に意見を交わすことで友好が生まれた |
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イスラエル・パレスチナの対立は、国際情勢の中でもっとも深刻な問題と言われています。IYCではこの問題を重視し、中東青年事前会議とは別にエルサレムでの会議開催を決定。WCRP国際委員会とともに、ICCI(イスラエル諸宗教協議会)、民主主義の普及やパレスチナ青年の育成にあたるNGO(非政府機関)の「パノラマ」が準備を進めてきました。
エルサレムのホテルで行われた会議には、ユダヤ6人、パレスチナ15人の青年が参加。日ごろ、ユダヤとパレスチナの青年が面と向かって意見を交わす機会がないと言われる中で、開会式であいさつに立ったICCI代表のロン・クロニシュ博士は「厳しい状況にある今こそ、互いに出会い、互いの宗教を理解し、紛争について率直に話すことが大事」と呼びかけました。
このあと、『イスラエル・パレスチナにおける状況についての社会心理学的考察』と題したセミナーを開き、ユダヤ人学者のイツハク・メンデルソン氏とパノラマ代表のワリード・サーレム氏が基調発題に立ちました。
メンデルソン氏は、構造的な弱者をつくることは、その被害者意識によって過剰な反応を生み出し、状況を悪化させると説明。また、怒りや悲しみといった紛争の経験を次世代へと積み重ねていくことは被害者意識をエスカレートさせるとし、「紛争当事者の対話では、何世代にもわたり抱えてきたトラウマを互いに話し合うことが重要。しかし、相手も被害者だと気づくためには、自分たちも加害者であると知り、自らが傷つくことを覚悟しなければならない」と述べました。
一方、サーレム氏は、イスラエルの占領政策の問題点を指摘。パレスチナ側も被害者意識と相手への恐れが結び付いて暴力を生み出していると強調しました。そこから抜け出す道として、「自分の被害とともに相手の被害を認識する」「国や地域の安全保障ではなく、人間の安全保障の観点から考える」ことなどをあげ、その実行が紛争和解のプロセスになると訴えました。
夜には、イスラエル軍の武力行使やパレスチナ人による自爆攻撃で家族を失った遺族との会合を実施。非暴力で平和の実現を目指すNGO「平和の闘士」(Combatants For Peace)のメンバーで、ユダヤ人のエリック・エルハナンさん(29)とパレスチナ人のアリ・アブ・アワッドさん(34)が体験を述べた。二人は一度、報復を考えたものの、「報復すれば自分と同じ思いの人が増えるだけで、妹が返ってくるわけでない」(エルハナンさん)、「ユダヤ人にも私たちと同じように泣いている人がいることを知った」(アブアワッドさん)と語り、現在の活動に至った心の変化を説明。悲しみを抱える500の家族が活動に取り組んでいることを紹介しました。
15日には、イスラーム、ユダヤ教、キリスト教の宗教者を招いてディスカッションを行い、教義への理解を深めました。続いて、サーレム氏とヘブライ大学のツビィ・ベケーマン教授を講師に『安全保障の概念』と題するセミナーを実施。この中でベケーマン教授は、イスラエルとパレスチナの対立で犠牲者になっている大多数が双方の貧困層であると指摘し、問題の本質を見ていくよう促しました。
このほか、全員参加によるイスラーム、ユダヤ教、キリスト教の祈りのプログラムが行われ、互いの宗教に対する理解を深めました。
(2006.08.04 記載)
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