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アフリカ毛布ボランティア隊(一乗ボランティア)
現地での毛布配布活動を通して、「アフリカへ毛布をおくる運動」「一食を捧げる運動」をはじめとする本会の平和活動の意義をかみしめるとともに、世界の貧困や難民などの問題について理解を深めます。同隊は、「アフリカへ毛布をおくる運動」に賛同して全国から寄せられた毛布を手渡すため、アフリカ数カ国を訪問。本会会員とJHP・学校をつくる会、アフリカ協会など諸団体が協力し、毛布を配布すると共に現地の人々と交流を深めます。さらに現地の状況を視察し、同運動の推進に向けて学びを深めます。
●2008年2月16日
「アフリカ毛布ボランティア隊」に同行して モザンビーク

2月7日から16日まで「アフリカ毛布ボランティア隊」(本会会員、JHP・学校をつくる会のメンバーで構成=隊長・矢部光男時務部次長)の一行22人が、モザンビーク・マプト州を訪れました。ボランティア隊が同国を訪問するのは初めてのこと。一行は、同国におくられた毛布2万6000枚のうち、約1000枚を配布。各配布地では、隊員が現地の人々と歌や踊りを通して心を結び、毛布に込められた日本からの"真心"を届けました。現地ルポを紹介します。 photo1
毛布をかぶり、喜びを表す子供たち。昼夜の寒暖の差が激しいアフリカの地で、人々は毛布を身にまとい、強い日差しや冷たい風から身を守っている
 


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隊員たちは、出会ったすべての人の幸せを願い笑顔を届けた

空港に降り立つと温かい風が隊員たちを迎えた。青い空に白い雲。日本を出発してから飛行機で約18時間。香港、ヨハネスブルグを経由して一行はモザンビークの首都・マプトに到着した。
モザンビークはアフリカ大陸の南東部に位置し、国土面積は約80万2000平方キロ、日本の約2倍だ。この国では、現在マラリアとHIV感染が深刻化している。マラリアでは年間数千人の死者が出ると言われ、HIV感染者は180万人に達する。国内の80%を占める農民のほとんどが貧困のため、30度を超える暑さから10度まで冷え込む昼夜の寒暖の差から身を守ることもできず、病に苦しんでいる。
こうした現状の中、現地NGO(非政府機関)「KULIMA」(クリマ)と「ACRIDEC」(共同体開発キリスト教協会)は、社会的困窮者といわれる人々の支援や農業技術の向上を目指すプロジェクトを行っている。それぞれの団体では、村人の自立を目指した援助を展開しており、日本からおくられる毛布は、プロジェクトと連動して配布される。
今回の配布対象者は、孤児や老人、HIV感染者など、KULIMAやACRIDECが行うプロジェクトの受益者や、政府が選出した最貧困層の人々だ。各地域の担当者が協議を重ねて決定した。

photo3
日本からおくられた毛布は、これからの時代を担う子供たちに生きる希望と心の温もりを届けた

隊員を乗せたバスは、マプト州内を走行した。アスファルトの道が続き、古びたビルが林立する市街地を抜ける。貧困層の人々が居住するマホタ地区に入ると、黄土色の砂地が広がっていた。レンガ造りでトタン屋根の古い家屋が並ぶ。時折、老人や男性が木陰に座って隊員たちの乗るバスを好奇の目で見つめていた。KULIMAスタッフのマリアモ・ムーサさん(25)は、「失業率が高く、教育を受けていない貧困層の人々が仕事に就くことは困難です。貧富の差も大きな問題となっています」と隊員たちに説明した。
割れたガラス窓、くずれかけた塀――。車窓から格差の現実を目の当たりにし、隊員たちの表情から笑顔が消えた。
マプトの北部にあるマニッサに着くと、100人ほどの人々が配布センターに集まっていた。ここでは、KULIMAが行う農業のプロジェクトに参加する住民、政府が選んだ最貧困層の人々に毛布が配布された。

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涙を流して喜ぶ人。隊員を強く抱きしめる人――。一枚一枚の毛布に込められた真心≠ェ確実に届けられた瞬間だ

この地域は、雨季と乾季が交代する熱帯モンスーン気候で、大雨などに見舞われることも多く、毎年作物が収穫できるとは限らない。2007年も収穫時期を前に大雨に襲われ、作物を失った。乾季には、水不足により畑を耕すことができない。隊員たちは、人々の現実の苦しみ、貧しい生活の実態を知り、自らの役割の意味合いをかみしめた。
「ムイントプラゼール(はじめまして)」「ペルファボーレセバ(どうぞ受け取ってください)」。配布中、隊員たちは声をかけて毛布を手渡し、一人ひとりを抱き寄せて毛布に込められた"真心"を伝え続けた。最初は緊張した面持ちで隊員の前に立っていた現地の人々もたちまち表情が和らぎ、「ロロロロロー」と歓喜の声やダンスで喜びを表現した。

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「ボアタールジ!(こんにちは)」。配布の合間、隊員たちは現地の人々と積極的に交流し、互いの心を通わせた

マニッサから1時間ほど離れたマホタス。スタッフの連絡の行き違いから、村人たちは30度を超える暑さの中、5時間以上も隊員たちを待ち続けていた。
「炎天下の中で5時間も待っているのは簡単なことではありません。毛布はそれほどまでに大きな存在なのだと知り、一枚の毛布の重さを実感しました」と話す隊員は、現地の人々の思いに応えようと、積極的にあいさつを交わし、笑顔で毛布を手渡した。住民組織の代表者であるアナシターシア・マールタ・ニャティさん(55)は、2007年の大雨で農作物が壊滅的な被害を受けた現状を訴えたあと、こう話した。「遠い日本から時間や労力を使って私たちのために来てくれたことがうれしい。皆さんの温かさに触れ、私は一人ではないのだと感じました。この毛布は子供たちのために使わせて頂きます」。

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隊員の代表が毛布に込められた思いを伝えると、現地の人々は大きな拍手と歓声でその思いを受けとめた

配布場所では、毛布を求めて大勢の人が押し寄せ、配布が中断する場面もあった。隊員たちは〈毛布が争いを生むきっかけを作ってしまっているのでは〉と心を痛めた。どこの配布場所でも一行を笑顔で歓迎し、無事に帰路につけるように隊員たちの身を案じてくれる人々の姿に触れ、「彼らのためにもっと毛布を集めよう」と誓い、互いの心を確認し合った。
ACRIDECの代表ジュオン・デイビット・ムトンビエニさん(52)は、「毛布を受け取った人々は、日本の方々が自分たちの苦しみを共に分かち合ってくださっていることに喜びを感じています」と話し、おくり手の思いが現地の人々の心の支えになっていることを説明し、支援の継続を求めた。

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梱包された毛布の袋を開くと、色とりどりのメッセージが隊員の目に飛び込んできた

最終日、一行はACRIDECの案内で農民たちの暮らすボアネの村を訪れた。
隊員が到着すると人々はゴスペルを歌って歓迎し、祈りを捧げた。現地の人々の祈りを受け、隊員たちは「お題目」を唱える。それを耳にしながら、合掌する人、目をつぶり胸に手をあてる人。互いの祈りが通じ合った瞬間だった。
配布後、村人に腕を抱えられた一人の女性が隊員に向かって語り出した。
「私は目が見えません。今日頂いた毛布を見ることができませんが、目に見えるもの以上に皆さんの真心が私の心に伝わってきました! 皆さんに神のご守護がありますように。皆さんの幸せを祈ります」
隊員が女性の言葉を聞いて立ち尽くしていると、30人ほどの人々が胸に2、3本のとうもろこしを抱えて隊員の前に列を作った。とうもろこしは、収穫されたばかりのものだった。現地の人々は、目を潤ませながら「カニマンボウ(ありがとう)」と言って隊員一人ひとりにとうもろこしを手渡した。彼らのいのちをつなぐ大事なとうもろこしには、毛布への感謝と祈りが込められていた。
隊員と現地の人々は、互いの喜びや苦しみを分かち合うかのように共に涙を流し、いつまでも肩を寄せ合っていた。

(2008.04.18 記載)




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