|
タテとヨコの理念
自分は何のために働くのか、働くことの意義とは――。
この命題については、これまで開祖さま、会長先生から数々のご指導を頂戴しております。その中に、心の底にしっかりと打ちたてるものとして、開祖さまが「タテの理念とヨコの理念」を教えてくださっています。
タテの理念とは、仕事をとおして自らの人格を完成させ、仏になっていく修行の一環として働くのだということです。ヨコの理念とは、昔から「働くというのは傍を楽にすることだ」といわれるように、多くの人びとの上昇を助け、世の中の進歩を促進するという社会への大きな布施であるということです。
考えてみますと、このタテとヨコの理念は、私たち佼成会員の修行目標でもあるわけです。会員綱領に「人格完成の目的を達成するため」「家庭・社会・国家・世界の平和境(常寂光度)建設のため」と謳われていますね。ですから、このタテとヨコの理念は、職場はもちろんのこと家庭や地域、またあらゆる修行の場において、私たちの生き方の「軸」になるものです。ですから、しっかりと堅持させていただきたいと思います。
「願」に気づく
今号の特集で、宮崎教会の春田佳代さんが「私の仕事観」を語っておられます。春田さんが就職活動に取り組むにあたって柱にしたのは、「自己成長」と「社会貢献」でした。まさにタテとヨコの理念ですね。自分の内なる願いを明確にされているわけです。
私たちは人さまの幸せのために、願って生まれてきました。ですから、すべての人間は本質的に、人さまの役に立ち、喜ぶことをさせていただきたいという「願」が具わっているわけです。
例えば、大工さんであるならば、家の建築を依頼されたときに「依頼主の要望に応じて、丁寧な仕事をさせていただこう」という願いがわくのではないでしょうか。そして要望どおりに仕上がったならば、依頼主もきっと喜ぶはずです。それが励みとなってさらに腕に磨きをかけることになります。
また、お店に勤めている方ならば、お客さんに対して笑顔で応対でき、気持ちよく買い物をしていただきたいという願いがあるのではないでしょうか。お客さんが満足してくれたならば、さらに努力をしていこうという意欲がわいてくるはずです。
つまり、商品をつくるにしても販売するにしても、人に喜んでもらいたいという「願」を気づかせていただける絶好の場が、仕事であると思うのです。仕事はまさしく人生修行であり、仏道修行そのものなのです。
「人生の秘訣とは、好きな仕事をするのではなく、今している仕事を好きになることだ」という言葉があります。私たちはなかなかこういう思いになれませんね。現実には、辛いことや不平不満が出ることが多いのではないでしょうか。
しかし、仕事のために自分の人生があるのではありません。自分の生き方の中に、仕事があり、家庭があり、すべてがあるのです。「願」を明確にして仕事に臨めば、必ず喜びのある人生を歩んでいけるはずです。
『春光』11号 より
(07.09.07
update)
|