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matsumoto.comでは、松本貢一青年本部長から青年のみなさんへのメッセージをお届けします。どんなメッセージかはどうぞお楽しみに! このサイトをご覧になった感想もお待ちしています。メールにて、info@rk-youth.orgまでお送りください。(月1回更新)



いま、私たちにできること

宗教的価値観から見て

宗教を中心としてつどう私たちが、なぜ政治に関心をもつのか、その意義について、開祖さまは常に繰り返し教えてくださいました。

私はこの「宗教」と「政治」のかかわりについては、宗教的な価値観から三つの視点で開祖さまのご指導を受け止めています。

まず、釈尊の時代はどうであったかという視点です。その当時、大切にされていた行法は「瞑想」と「托鉢」だったと 言われています。「瞑想」は、静かに座って法や真理の働きに精神を集中させる行です。それにより仏さまと通じ合う世界を体験することができるのですから、純粋な宗教的行であるといえましょう。

しかし、釈尊は「托鉢」の行も大事にされました。「托鉢」とは一軒一軒をたずね、食を乞う(乞食)行です。そこでの出会いは、民衆のさまざまな苦悩であり、決して真理に従順ではない大衆や社会の現実でした。その大衆に対し、乞食により布施の心を起こさしめ、あるいは教えを伝えていったのです。「瞑想」だけでは、どうしても信仰や悟りが観念的になってしまいます。釈尊は「托鉢」の行により、お弟子さん方を決して現実社会から遊離させることなく、真実の悟りへと導かれたのでした。

本会が、読経、研修、法座など、自分が純粋に法を求める修行と同時に、大衆教化に歩くこと、平和な社会づくりへの行動を力強く推進しているのは、その意味からだとも言えましょう。政治にかかわることも、私たちが観念的な信仰におちいることなく、現実社会の中に、真理・法を具現化する行法の延長線上にある取り組みと受けとめています。

また、開祖さまは宗教遍歴の中で「人が百パーセント救われる教えはないのか…」と探し求めていたとき、『法華経』に出遇われました。そして「現実に人を救い、世を立て直す」ためには、『法華経』に込められている真の仏教精神を広めるほかにはないと確信し、立正佼成会を創立されたのです。

真の仏教精神とはひとことで言えば「一乗」です。「この宇宙はすべてのいのちがつながりあっている統一体であり、あらゆる存在や現象は一つの大いなるいのちの現われである」ということです。人間は本来そのように一体であるにもかかわらず、自己中心の心から自他を区別して他を否定し、争いを起こしては、苦しみをまねいているのです。これは個人でも民族の間でも同様です。

開祖さまは、人を救い世を立て直すため、一人ひとりには教えをとおして自己中心の心を、少しでも他を思いやれる心に変えてくださり、世界に向けては宗教協力をとおして一乗精神を流布されました。そして、国や地域を治める政治家にも教えを説かれたのです。

私たちも開祖さまにならい、真に豊かで平和な国をつくるため、影響力の大きい政治家の方に一乗の教えや精神を伝えさせていただく、これが政治にかかわる二番目の視点です。

さて、三つ目は何かと言えば、ご本尊さまが釈迦牟尼仏であるということです。『法華経』の「化城諭品第七」のなかに、大通智勝如来の物語が展開されていますが、大通智勝如来が『法華経』を説かれて三昧に入られると、教えを説く人がいなくなり、「このままでは世界が暗くなってしまう」と、十六人の子どもたちがそれぞれ自分の受け持ちの国土に行って教えを説き始めます。その因縁は現在でも続いているということですが、その子どものなかで娑婆国土を担当しているのが、十六番目の子どもである釈迦牟尼仏なのです。

立正佼成会でいえば、「娑婆教会」の教会長さんなのでしょう。娑婆国土、すなわち地球の人びとの教化と「常寂光土」実現の役割を担われている釈迦牟尼仏が、私たち本会のご本尊なのです。
ですから、立正佼成会の青年部員である私たちの使命というのは、この地球上に住む人びと一人ひとりに『法華経』を伝え、一切衆生をお救いし、住みよい世界にしていくということなのです。さらには、各教会に勧請されているご本尊さまは佼成会の信者さんだけを救うために勧請されたものではなく、その地域に住むすべての方がたをお救いし、その地域を平和境(常寂光土)にしていく因縁をもって勧請されているのです。そうした意味から、私たちの使命は、地域の方すべてを一乗精神に導くこと、そして、その地域を平和で明るい社会にしていくことにあるのです。

だれもが国を動かせる 尊い一票をもっている

開祖さまがいつも教えてくださったのは、「政治」と「宗教」というのは車の両輪だということです。政治が正しく機能していかないと、日本の繁栄も世界の安定もありません。かと言って心の安定がなければ、幸せを感じることはできないでしょう。地域社会の安定と個々の心の安定があってこそ、本来の常寂光土ができあがるわけです。信仰によって心の安定を得られたというだけでは自己満足の信仰で終わってしまいます。

それではだめなのです。だれもが心と生活の安定が得られる社会が、常寂光土なのです。その常寂光土建設の具体的な方法の一つが選挙で一票を投じることなのです。

しかし、最近、投票率の低下が問題視されています。何が怖いかといったら投票に行かないこと、つまり無関心であることなのです。なぜ無関心になったかというと、「だれが政治家になっても、日本は変わらないじゃないか」と思ってしまう人が多いからかもしれません。戦後の日本は、われわれの先輩の世代の人たちが、決して戦争をするような国にしてはならないと必死で平和を守ってくださり、そのおかげさまで経済も発展し、恵まれたなかで生活をさせていただいてきました。

ところが、最近の日本の情勢はいかがでしょう。隣国との緊張関係などを通しても、決してよい状態とは言えません。万が一にも日本の政治が間違った方向に向かったら、苦しみを背負うのは私たち国民なのです。

そうならないためには、私たち一人ひとりが、常に国の政治に関心をもつこと。そして、政治を整えていくには、いい政治家を政界に送りだすことが大事なのです。

自分の支持団体の利益、利害ではなく、本気で「国をよくしていこう」「人びとの暮らしの安定を願おう」という仏教精神に基づいた政治を行なっていける立派な人材を送りだす必要があるのです。日本国民である私たちは、だれもが国を動かせる尊い一票をもっています。つまり、選挙で一票を投じ、立派な政治家を選ぶことが、「常寂光土」建設のための菩薩行につながるのです。

『Shunko』10号 より

(07.05.02 update)

Shunko10号 『Shunko』10号 2007年4月20日発行
特集 これからの国づくりを考える〜政治への取り組み〜


『Shunko』は、部員登録をされた青年男女部、大学部のみなさんを対象としたクラスマガジンです。
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