| 皆さん、こんにちは。
全国各地で前向きに、元気に、ご精進されていることと思います。
今年は皆さんご承知の通り、「開祖生誕100年」の年です。開祖さまが生きていらっしゃったなら100歳のお誕生日を迎えられるという、記念すべき年です。では、私たちはこの記念すべき年をどのような心で迎えさせて頂けばよいのでしょうか。どのように自らの信仰心を整えさせて頂けばよいのでしょうか。私は今年迎える二つの大きな出来事が、そうしたことを明確に示してくださっていると思っております。
一つは大聖堂の改修です。すでに放送等でご覧になった方も多いと思いますが、御本尊さまが前に、大きく出られました。御本尊さまが今まで以上に、大きく輝いて見えます。これは、私たちの心の中の御本尊さまの存在をもっともっと大きくしていこうということが形として顕れたものだと、私は受け止めさせて頂いております。
本会の御本尊さまは、三国仏教史上初めて、開祖さまのご因縁によって勧請された久遠実成大恩教主釈迦牟尼世尊です。開祖さまがどのような因縁、使命を持って誕生されたのか。そのことをかみしめさせて頂くときに、お釈迦さまがこの世にどのようなご因縁を持って生まれてこられたのか、ということを重ね合わせて考えることも一つの見方かもしれません。
お釈迦さまは、方便品第二で明らかにされていますように、諸仏出生の一大事因縁をもってこの世に誕生されました。仏の智慧をすべての人間が持つことができるよう導いてあげたい――すなわち、仏知見に「開示悟入」させたいということです。それまでお弟子さんたちは、お釈迦さまを「自分が悩んでいること、求めていることに対して的確にご指導してくださる方」と見ていたことでしょう。しかし、お釈迦さまが本当にお弟子さんたちに示したかったものは、お釈迦さまが悟られた悟りそのもの、仏の智慧そのものでした。お弟子さんたちにしてみれば、お釈迦さまのようになれるなどと夢にも思っていません。そうした中でお釈迦さまは、「皆が仏になれるんだ。皆が仏の智慧を得るために誕生したのだ」ということをお弟子さんたちに示されたのです。
私たちは日頃、それぞれの人間が別々のいのちを生きているようにしか感じることができません。しかし、仏の智慧で見るならば、大いなる一つのいのちに連なった、尊い同じいのちを生きている、生かされているということができます。宇宙全体が一つのいのちに貫かれているといえるのです。私たちに、こうした目に見えない世界に気づかせてくださるために、お釈迦さまは誕生され、その実際のありようを「無常の法」や「因縁果報」という教えで説かれ、さらにそうした教えを組み立て、あるいは組み合わせて「四諦の法門」「六波羅蜜」などとして、分かりやすくお示しくださったわけです。仏知見を私たちに「開示悟入」させるため、仏の智慧を私たちに持たせるため、お釈迦さまはこの世にお生まれになられた。これが、お釈迦さまのご因縁ということができると思います。
開祖さまもまさしく立正佼成会を「開」、開いてくださった方です。私たちは、佼成会がなければ、佼成会の道が開かれなければ、仏さまの教えに触れるということはなかったかもしれません。また、青年の皆さんの中には、両親がご法の縁で知り合ったという方も多くいらっしゃることでしょう。もし佼成会の縁がなければ、ご自分の誕生すらなかったということもできると思います。
開祖さまは、いつも私たちにわかり易い言葉で、「すべて自分だよ。まずは、人さまだよ」「自分が変われば相手が変わるんだよ」と教えを示してくださいました。まず自分の心を変えていく、行いを変えていく。そうすることによって、本当に現実の自分の環境が変わっていくということを教えてくださいました。開祖さまの教えを実践することによって、「なるほど、仏さまの教えというものは、生きているんだな」ということを感じさせて頂いた経験が皆さんにもきっとあるはずです。さらに、お役をくださり、いろいろな活動に参加させてくださり、常に私たちを「入仏知見」、菩薩行への道に導いてくださったのです。
今回、「開祖生誕100年記念事業」の主要事業として大聖堂が改修され、まさしくその中にあらためて大きく、輝く御本尊さまが顕れました。このことを私は、開祖さまが生誕されたご因縁、私たちに仏さまの智慧のありようを「開示悟入、開示悟入」と繰り返してくださったことの大きな象徴、集大成であると受け止めさせて頂いております。私たちの心の中にしっかりと、仏さまの智慧――大いなる一つのいのちの顕現としての御本尊さまに対する信仰を確立させて頂くこと。これが「開祖生誕100年」を迎えさせて頂く上で、大切なことであると思っています。
そして、今年はもう一つ、大切な出来事があります。8月に京都で開催されるWCRPVIII(第8回世界宗教者平和会議)、またそれに先立って開催されるWCRP青年世界大会です。
仏さまの智慧というものを実際の行動で表わしたならば、どういうことになってくるのか。このことは、開祖さまがそのご生涯、歩まれた道によってすでに私たちに示してくださっています。開祖さまは自伝の中で、法華経の教えに出遇い、「この教えこそ100%救われる教えだ」と、飛び上がってお喜びになったと語られています。それは、「救われない人は一人もいない。皆が一乗、仏さまの一つの救いの乗り物に乗っている人たちなのだ」と確信されたからです。そして開祖さまは、目の前の一人ひとりを救うことから始められました。「救わずにはおけない。この教えをもってすれば、必ず人は救われるのだ」という開祖さまの熱意と情熱によって、多くの人々が法華経の道を歩まれることになったのです。さらに救われた人が「この教えはありがたい」と悦ばれ、「あなたも救われるよ」と新たな一人ひとりに教えを伝えられ、大きくなったのがこの立正佼成会です。一人ひとりの救い救われによって、これほどの大教団になったわけです。
しかし、開祖さまの願いというのは、本会の信者の救いにとどまるものではありません。仏の智慧――すべての人々が大いなるいのちに連なり、尊い一つのいのちを生きている――ということから見れば、異なる宗教を持つ人、他の国々の人もすべてが仏さまのいのちを生き、皆が仏になれるという一乗、すなわち一つの乗り物にちゃんと乗っていらっしゃる方々です。開祖さまはその教えを、宗教協力という形で現実の世界に現されようと努力されました。
それが具現化された一つの形が、WCRPです。一人ひとりの救いから始まった取り組みが今日、世界の宗教者のネットワークとなりました。1970年に京都で第1回が開催され、五大陸を一周して、再び日本の京都で開催される今回は、会長先生がWCRP日本委員会理事長として受け入れ国の代表を務められる、記念すべき大会でもあるのです。
「開祖生誕100年」の今年が、いかに意義深い年であるか。青年部の皆さんには、開祖さまがご因縁として、そして私たちのために勧請してくださった御本尊さまへの信仰を常に心に抱きながら、日々の一つひとつの活動にご精進頂きたいと願っています。身近な方々や部員さんへの手どり、入部登録のお誘いに励んで頂くとともに、地域の青年宗教者や有識者の方々との協力関係の構築にも尽力して頂きたいと思っております。またすでに、今回のWCRPには、多くの方々がボランティア登録をしてくださっています。それぞれの置かれた場所で、「一乗ネットワーク」づくりに努め、さらにそれを拡大してくださることを、心からお願い申し上げます。
御本尊さまに対する信仰をしっかりと確立させて頂く。身近なところから「一乗ネットワーク」を広げていく。この二つの課題に真摯に取り組ませて頂くとき、私たち一人ひとりが“小さな開祖さま”にならせて頂けると私は信じています。それこそが、開祖さまが私たち青年に願い、期待してくださったことだと思います。お互いさま、日々、その場その場で真剣に精進をさせて頂きましょう。どうぞ、これからも宜しくお願いいたします。
合 掌
(06.05.20
update)
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