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●2005年7月4日〜6日
「WCRPアジア青年事前会議」声明文

WCRP

平和のために集う諸宗教青年:平和を阻害するさまざまな「暴力」に
立ち向かい、万人が共有できる安全な社会を目指す

アジア宗教青年指導者平和会議
インドネシア、アンボン
2005年7月6日

イスラーム、キリスト教、ヒンズー教、仏教、神道等のアジア諸宗教を代表して、我々、14カ国・68人の宗教青年指導者は、平和を阻害するさまざまな「暴力」に立ち向かい、万人が共有できる安全な社会を目指すための取り組みを再検討し、宗教青年の活動を促進、強化させるため、ここアンボンに集った。

宗教が悪用され、人々が分断された結果として起こった悲劇と恐怖を、我々はアンボンの地で目の当たりにした。キリスト教徒とムスリムが平和に共存していたマルク州では、1999年の衝突以後、いかに宗教が政治的、経済的に利用される道具となりうるかを示してきた。イスラームコミュニティーとキリスト教コミュニティーの境界線を訪れた我々は、そうした分断された中において、暴力の阻止と平和的共存を目指して努力している人々に対し、さまざまな宗教による連帯の姿を示すことができた。

過激主義、軍事化、核拡散、構造的貧困、男女の不平等、そして環境破壊や災害は、アジアにおける暴力のいくつかの形態にすぎない。アジアにおいては、無責任な思想教化とともに、経済格差や社会的地位の不公平により、若者がその不満を暴力に訴えるという地域もある。

同時に、若者は理想を追い求め、過去の歴史を乗り越える力を有している。精神的、道徳的、社会的長所を持った宗教青年は、暴力に対抗し、そして平和な社会を実現するために重要な役割を担い得ることを我々は認識している。

アジアのさまざまな国での紛争の状況を政治的、社会的、経済的、文化的、宗教的側面から分析する中で、暴力が存在し、安全が保障されない状況の主要な要因を明らかにした。武力紛争の根本原因のいくつかは、長年にわたる不平等で不公平な待遇により引き起こされた固定観念や不信、他者を悪者扱いする姿勢などであると同意した。さらに、民主主義、人権尊重、正しい統治体制、諸宗教間対話を促進するシステムがない状況の下で、暴力が蔓延するということにも気付かされた。したがって、暴力に打ち勝つという重大な取り組みを行うための対話が可能な協調体制を構築するところに、宗教者が果たすべき積極的な役割がある。

徹底的な暴力の原因探求に基づいて、青年が暴力に立ち向かい、万人にとって安全な社会を実現するために有用な、青年特有の精神的、道徳的、社会的長所が確認された。武力紛争下で、人々に赦し難きを赦し、耐え難きを耐え、絶望に希望を見出す勇気と力を与えるために、宗教はこれらの長所を活かすことが出来る。宗教的に裏打ちされた前向きな価値観と精神なくしては、政治的な交渉による平和が挫折し、武力紛争が再発する危険は高まるのである。

アジアの宗教青年指導者は、地域的もしくは国家的に影響を与えている人々である。この道徳的特長は、固定観念、不信、他者を悪者扱いする姿勢の蔓延に対抗するための、共通の安全を促進する多様なグループの橋渡しに強い影響力を持つものである。

我々諸宗教共同体の持つ、モスク、寺院、教会、その他の信仰に基づく社会施設といった巨大な社会的ネットワークは、草の根レベルで、何百万という苦しみにあえぐ人々に手をさしのべることができる。これらの宗教施設や信仰を行う場は、アドボカシーや教育、また暴力を防止し、調和した社会を実現するための行動を支える基盤になりうるのである。

平和と開発のための諸宗教協力を推進するその付加価値として、多様なアジアの見方も今回の会議で共有されるにいたった。アジアは民族的、宗教的、文化的に多様であるため、象徴的にも実質的意味においても諸宗教間の協力が重要となる。諸宗教協力は共同社会の調和とその和解を促進するものである。同時に、それぞれの持つ経験を共有し、お互いが補完し合う基盤を宗教共同体に与えることができるため、諸宗教協力は共通した取り組みを行う際に、有効性を持つ。さらに、諸宗教を代表する組織やネットワークが、国または地域レベルで構築された時、その機関またはネットワークが、これまで特定の宗教団体の社会的プロジェクトでは利用できなかったような公的な財源から支援を受けることができる。

上記のような宗教青年の持つ特性、諸宗教協力の価値、アジア独自の視点を考慮に入れ、我々はアジアの諸宗教青年指導者が紛争解決、平和構築、そして持続可能な開発へ協働することができる諸宗教の手段の構築に取り組む。特に以下の取り組みを行う。

・各国の諸宗教青年ネットワークの設立
会議参加者が中心となり、それぞれの国内の宗教青年指導者により構成される国内諸宗教青年ネットワークを設立する。すでにそのような機関が国内に存在する場合には、緊密な連携を取る。設立された国内ネットワークは、2006年8月に開催される世界宗教青年会議において、他国からのネットワーク代表者との相互の間で、認識される。

・アジア諸宗教青年ネットワークの構築
アジア諸宗教青年ネットワークはアジア全域にわたる問題に対して、諸宗教による政策提言や活動を行い、そして各国レベルの諸宗教協力行動を統合する。ネットワークのメンバーは2006年の世界青年宗教者会議で招集され、国際レベルの活動や、アジア全域にわたる政策提言や行動を、他の国々のメンバーと共有する。

・紛争予防、紛争解決、平和教育、持続可能な開発におけるアジア諸宗教プログラムの展開
アジア諸宗教青年ネットワークから選出された5人により、プログラム小委員会が形成される。この小委員会は、政策提言、教育、信頼醸成における宗教青年の特徴を活かした考えを持ち、WCRP国際委員会、本会議に参加した宗教組織、そしてその他の関連する団体と共に、紛争予防、紛争解決、平和構築、持続可能な開発の分野で、諸宗教による試験的なプロジェクトを実施する。

(2005.08.01 記載)


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